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空き家の解体費用の補助金については全国でも様々な制度があります。
その多くが、老朽化した空き家などを解体するためのものが主ですが、それにプラスして地域を活性化することを大きな目的としている2つの自治体の例をご紹介します。

 

広島県尾道市は古くから港町として栄え、西の小京都と呼ばれる歴史ある街ですが、その「良好な環境及び街並み景観の保全・形成を推進」するために「尾道市歴史的風致維持向上計画の重点区域内にある、使用されず適正に管理されていない老朽危険建物の除却に要する経費の3分の2(最大60万円)」を助成する制度があります。
他にも街並みに溶け込んでいる空き家(築30年以上)を居住できるよう再生するための改修費用の補助金制度があります。

 

長野県佐久市では、「住宅密集地等において、危険な空き家住宅の所有者等が、防災及び防犯のため、それを除却し、30年を越える期間継続して、跡地を無償で地域住民の交流の場となる公園等の用に供するための整備を行う」ために、除却及び跡地整備費用の5分の4以内(限度額240万円)補助する制度があります。
また空き家を文化施設など地域活性化に役立つ施設に改修する場合の費用についての補助金も用意されています。

 

どちらの自治体もただ単に危険な空き家を解体する費用の助成というよりも、地域全体をより活性化するために新たな土地・建物として活かすための費用の助成と考えているようです。この視点は今後空き家問題を解決していくときのヒントになるのかもしれませんね。

空き家王子.COM 代表 早水 大輔