DSC_9252

空き家となっている一般住宅を改修して、高齢者向けのグループホームやシェアハウスに転用するケースがあります。

建物を改修する際には、建築基準法といった規制に適合させる必要があり、もちろん一般住宅より高齢者グループホームやシェアハウスの方が厳しくなっています。
そうした建築基準法の縛りにより、なかなか転用が進まないといったケースがあるのは事実です。

しかしその規制が緩和されたというニュースが飛び込んできたので、参考までにご紹介します。

====================================

日経新聞2017年9月25日付の記事より

国土交通省は空き家の転用を促すため建築基準の規制を見直す。一般の住宅をシェアハウスや高齢者グループホームなどに転用する際、階段の勾配を緩やかにする規制があるが、これを緩和する。大規模な改修をしなくてもすむようにして転用に伴う負担を和らげる。26日付で関連する規定を改める。

同法には住宅の形態に応じて階段の勾配を定める基準がある。共同住宅の共用階段は同じ階段を多くの人が行き交うため、安全性に配慮して勾配を46度以内としている。一般の戸建て住宅は57度以内で、転用には階段を付け替えるなど大規模な改修が必要だった。

規制緩和で勾配を50度以内に緩和する。階段に手すりや滑り止めを取り付ければ、安全性は確保できると判断した。過去30年に建築された戸建て住宅は大半が50度以内で、大規模改修をしなくても転用可能になる。

戸建て住宅の階段を撤去して造り直すと一般に100万円近くかかるといわれる。手すりや滑り止めを付けるだけなら改修費は10万~20万円と大幅に安くなる。

空き家は2013年時点で820万戸あり、住宅総数に占める空き家率は13.5%。人口減で地方ほど空き家率は高い傾向にある。空き家が増えると景観や治安の悪化につながりやすい。需要の大きいシェアハウスやグループホームへの転用を促すため、埼玉県などが地方分権改革の一環で基準緩和を要望していた。

====================================

空き家王子.COM 代表 早水 大輔