空き家の「管理をする上での障害・課題になること」
前回は空き家の「管理面での心配事」の調査結果を紹介しましたが、今回はその「管理をする上での障害・課題になること」、という更に踏み込んだアンケートの結果を見てみましょう。
出典:国土交通省『平成26年空家実態調査』「管理面での心配事」
一番多いのが「遠方に住んでいるので管理が困難」という回答です。これは自宅等から空き家までの距離に比例して多くなり、「車・電車などで 1 時間超~3 時間以内」だと54.6%、「車・電車などで 3 時間超~日帰りが不可能」な所有者においては 72.0%となっています。
一方「障害や課題はない」という回答は距離が近いほど割合が大きくなっており、空き家までの距離が「ほとんどかからない」人で 39.9%となっています。
空き家管理において、自宅等から空き家までの距離の問題は非常に大きいと言えるでしょう。
次に多い「管理の作業が大変」という回答は、空き家の所有者が65歳以上の高齢者の割合が高い(55.6%)※ことも影響していると考えられます。もちろん、雑草の処理、掃除、建物の修理、など、空き家管理の様々な作業すべてをこなすのは高齢者でなくても大変でしょう。
また「住宅を利用する予定がないので管理が無駄になる」という回答を見ると、賃貸に出したり売却したりすることを考える必要も感じますが、誰かのアドバイスがないと踏み出すのは難しいのかもしれません。
遠方に住んでいたり、管理の作業が大変だと感じていたりする人たちを手助けしてくれるものに、空き家管理サービスがあります。次回のコラムでは、そういった業者に管理を委託することについての意識調査結果を詳しく見てみたいと思います。
※同調査結果より
空き家王子.COM 代表 早水 大輔