DSC_2089

日本の空き家問題、その実情を知るための手がかりとなるのが、国土交通省の発表している「空き家実態調査」です。

数回に渡り、最新の平成26年の調査結果を紐解いていきたいと思います。

 

今回は、誰がどのくらいの頻度で空き家を管理しているのかを見てみましょう。

62図1出典:国土交通省『平成26年度空家実態調』「主な管理者」

http://www.mlit.go.jp/report/press/house02_hh_000088.html

 

グラフによれば、戸建て空き家等の主な管理者は「所有者または所有者と同居している親族」が 64.2%、「所有者と同居していない親族」が 17.5%の順になっており、所有者やその親族が 81.7%と全体の約 4/5 を占めています。

同調査の「所有者の自宅等から空き家までの距離」のアンケート結果によると、「1時間以内の人が67.0%」なので、一時間以内に住んでいる所有者は自分で管理をしている人が多く、「車・電車などで 1 時間超~3 時間以内(15.7%)」「3 時間超~日帰りが不可能(11%)」など遠くに住む所有者は、空き家の近くに住んでいる親族にお願いするケースが多いことが推測されます。不動産会社などの管理会社に委託している割合は2%と非常に低いのも注目すべき点でしょう。

「管理者がいない」、「不明」という回答から、放置されている空き家があることがデータからもうかがい知れます。

 

次に、管理者がどのくらいの頻度で管理をしているのかというグラフを見てみましょう。

62図2出典:国土交通省『平成26年度空き家実態調査』「管理の頻度」

 

管理の頻度は、「月に 1 回~数回」が 34.3%と最も多く、「ほぼ毎日」14.4%、「週に1回~2回」20%など、かなりこまめに管理を行っていることがわかります。しかし一方「年に1回~数回」が 23.1%など、年に数回以下のものが 23.8%と全体の約 1/4 を占めています。

「管理されている空き家」と言っても、その管理状態には大きな差があるようです。

空き家王子.COM 代表 早水 大輔