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国土交通省の「平成26年度 空き家実態調査」を数回に渡り見てきました。今回は「専門業者への管理委託」についての意識調査の結果を見てみたいと思います。

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出典:国土交通省『平成26年空家実態調査』「専門業者への管理委託の希望」

前回のコラムでもお話したように、管理する人の自宅から空き家までの距離が近い人が半数以上を占めるため、全体の結果としては委託の意向があるのは「適当な業者がいれば委託したい」が5.2%、「既に委託している」が3.6%と、合計わずか8.8%という結果でした。
しかし所有者の自宅等からの距離が遠くなるほど委託の意向がある割合が大きくなっていて、「車・電車などで3 時間超~日帰りが不可能」な距離にある管理者の場合は、合わせて21.6%となっています。

では実際に委託をしている人はどんな作業を委託しているのでしょうか?

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出典:同上「既に委託している場合の管理サービスの内容」

このデータを見ると、空き家管理に必要な作業が、建物の内側のことだけでも、戸締まりの確認から住宅内の清掃、通気・換気、水回り点検など多岐にわたることがわかります。委託している内容で一番多いのは、やはり周辺に影響がある「外回りの清掃・草取り・剪定」のようです。もし距離が近くても、「傷み・雨漏りのチェック・修繕」など自分では難しいこと管理会社に任せるという選択肢もあるかもしれません。

次に空き家を相続する子どもは、遠くに住んでいる可能性もあります。問題を次世代に繰り越すのではなく、所有者の元気なうちに、「空き家をどう管理し、どうしていくのか」話し合っておくことが必要になるのではないでしょうか。

空き家王子.COM 代表 早水 大輔