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総務省の住宅・土地統計調査によれば、現在日本の空き家の総数は820万戸。この20年で1.8倍に増加し、そして今後も増え続けていくと予想されています。なぜ日本ではこんなに空き家が増えつづけているのでしょうか?

一番大きな原因は、住宅の需要が減り始めているということです。日本の総人口は2008年の128,084千人をピークに緩やかに減少しており、住宅の需要が失われていくことが予想されています。

2010年の総務省「国勢調査」によると、男性は、35歳~39歳で35.6%(1980年は8.5%)、女性では、35~39歳で23.1%(1980年は5.5%)が未婚であり、年々晩婚化が進んでいます。晩婚化が進むことで第1子の出産年齢が上がり、それが出生率の低下の原因のひとつと言われています。事実、1980年には出生率が1.75あったのが、2016年には1.44に減っています。例えば今後、出生率が少々上がったとしても、出産可能な成人女性の全体数が下がっているので、日本の人口は徐々に減っていくと言われています。

このように人口が減っている状況にも関わらず、日本の新規住宅着工件数は増加しており、2016年は967,237戸、前年比6.4%増で、2年連続増加しています。そこから解体などでなくなった住居の件数を引いても、年々総住宅数は増え続けています。
ヨーロッパでは中古住宅の市場が大きく、住宅の価値も下がりにくいため、空き家の割合は低いと言われています。しかし新築の物件の人気が高い日本では、どうやったら空き家の数を減らすことができるのでしょうか?これからの大きな課題といえるでしょう。

参考:
厚生労働省人口動態調査
平成28年(2016)人口動態統計および、平成29年我が国の人口動態(平成27年までの動向)

空き家王子.COM 代表 早水 大輔