20170410

空き家をお持ちの方にお聞きしたいのが、「通水作業をしていますか?」ということ。

空き家において通水作業は、換気や雨漏り確認と同じくらい重要な管理方法だと言うことは、意外に知られていないのではないでしょうか。

 

通水していないことで起こりうるトラブルは大きく分けて二つあり、まずは「異臭の発生」です。

空き家の場合、長期間水が流れていないと、排水管の中にある排水トラップに溜まっている水封の水が自然蒸発してしまい、下水からの臭気が逆流して室内に充満してしまいます。

夏場は特に暑い日が続くため蒸発しやすく、一度臭気が逆流してしまうと、室内の壁紙や天井などに臭いが染み付いてしまい、消臭作業にも費用がかかってしまいます。

さらに、隣近所へ悪臭が漂い、苦情が入る場合もあります。

 

そしてもうひとつが「排水管内にサビが発生する」ことです。築20~30年以上経っている空き家の場合は、特に排水管内の錆や腐食が進行しているケースが多く、錆による赤水や腐食による水漏れなどが発生してしまいます。

そのせいで排水管がダメになってしまい、全面的な工事が必要になると、約10万円以上もの大きな費用がかかってしまうのです。

 

それらトラブルを未然に防ぐためにも、空き家の通水作業は必須と言えます。

通水する頻度は、1カ月に1回以上が理想的です。台所や浴室、洗面所など屋内にある全ての蛇口で行うほか、庭や玄関にある水道も忘れずに通水します。

蛇口をひねって、水が滞りなく出ているのを確認したら、そのまま最低1分以上は水を出しっぱなしにしておきます。

このとき、蛇口付近からの水漏れの有無も確認しておきましょう。

もしゴムパッキンの劣化や、蛇口の不具合が見られたら部品交換が必要なので、発見したらすぐに業者を呼びましょう。

また、特に冬場は水道管が凍結して設備が破損する恐れがあるため、給湯器などの水抜きも忘れずに行っておくとよいでしょう。

通水作業はさほど難しいことではありませんし、何も頻繁にやらなければならない事でもありません。

空き家へ行く際に必ずやるべきことのひとつとして携え、怠らなければ、決して大きなトラブルにはならないでしょう。

空き家王子.COM 代表 早水 大輔